20人くらいの受験生が一つの部屋で一斉に面接を行います。大きな部屋を区切って行うので、大きな声をださないと自分の声が試験官に届かないと思います。私は過去問をチェックしつつ、予備校の先生にもらった医学用語をまとめたものを理解する、といった対策を行いました。それから、頻出の質問事項についてはすぐに答えられるようにしておきました。
受験生1人に対して3人の試験官がそれぞれ10分で質問します。面接時間は合計30分となります。配点は200点で結構大きいので、しっかり対策をする必要があります。以下、具体的な質問内容と私の答えです。
1回目の面接
Q1. どうして医師を目指すのか。また他の道は考えていないのか。
A1. 自分の身の回りでの最先端医療について述べ、それに対する自分の感動を伝えた。他の道は考えていないと熱意をアピールした。
Q2. 食糧問題についてどう考えるのか。
A2. FAOなどを中心に発展途上国に対し、協力・援助を行うべき。日本はODAの質を高め、農業なら農業と使用先を決めて援助すべき。
Q3. それでは日本国内での食糧問題についてはどう思うか。
A3. 自給率の低さを指摘した。食糧安全保障論についても述べたけれど、解決策が思いつかず、しどろもどろになる。国内の流通活性化と言ったが、矛盾を指摘されて厳しくつっこまれた。結局、無農薬など安全性を売りに輸入製品と競争していくことで自給率を高めていくこと、というようなふうに落ち着いたと思う。焦った。
Q4. (面接資料を見て)患者の気持ちがわかる医者になりたい、というけれど、そうするためには具体的にどうしたらいいと思うか。
A4. 多くの患者と早くから触れる機会をもって、患者の不安な気持ちに寄り添う経験をたくさん積む。
Q5. 臨床と研究どちらに進みたいか。
A5. 臨床医になりたい。
2回目の面接
Q1. 近頃よく言われるマナーの悪さについて2つの例を挙げなさい。
A1. 携帯電話とゴミの出し方について述べた。
Q2. ボランティア活動の経験の有無と詳しい内容について。
A2. 小学生の頃のダムの美化活動について、さらにその小学校の変わった教育方針についても触れた。
Q3. 部活の引退はいつか。それに対して親はどう考えていたか。
A3. 引退は高3の5月で、親は賛成してくれた。
3回目の面接
Q1. 医療技術が発達して、不老不死の技術が可能になったら、あなたはそれについてどう思うか。
A1. もしそのような技術が可能になってもその技術を行うべきではないと思う。なぜならそのような技術が使われるようになるといままで築き上げてきた倫理観や人間愛、社会観をくつがえすことになるから。先の見えない技術は軽々しくつかうべきではない。
Q2. それでは寿命が100歳200歳に延びるのはどうか。
A2. 食糧不足を考えるとよくないのではないか、というような事を言ったと思う。でもそれだけ医療が発達しているなら食糧問題も解決しているんでは? と言われた。それはそうだけど…。瞬時にそんなに考えられないと思う。
Q3. 現在の高齢化問題についてどう思うか。
A3. 政府がなんらかの手立てをして介護分野に企業が参入しやすいようにするべき。低所得の人に対しては全面的に政府が援助したらいいと思う、と言ったら、老人医療を推し進めるべきだと思うんだね? と念をおされて、それでは先ほどの答えと矛盾している、と言われた。笑ってごまかしたら、それに対してはそれ以上聞かれなかった。
Q4. これからその負担が大きくなっていくと言われているが、それに対してどう思うか。
A4. 今までのような経済発展中心の財政政策をとるのではなく、スウェーデンのような福祉先進国を見習って、福祉中心の財政政策に切り替えていくべき。
Q5. どのような医師になりたいか。
A5. 不安な患者の心の声に耳を自然と傾けられ、寄り添っていける医師になりたい。